都立高校の種類編
単位制高校とは(学年制との違い)
その学年で必要な単位数を取得すると次の学年に進級する学年制と違い、卒業に必要な科目の単位を3年間(または4年間)で修得すれば卒業できる高校が単位制高校です。単位とは、1週間にその科目を何回学習するのか、その時間数をいいます。たとえば国語の授業が1週間で4回あれば4単位ということになります。各教科・科目によって週に必要な単位数は異なります。卒業までに必要な単位数は74単位以上です。従って、単位制高校には留年がありません。いろいろな選択科目が用意されているので、自分の興味や関心、希望する進路に応じた科目を選ぶことができます。普通科の単位制高校は下記の11校があります。
コース制とは
コース制は普通科に属しており、そのコースに関連した特定の教科を多く学習します。例えば、深川高校(外国語コース)は英語の授業を3年間で27単位学習します(一般の都立高校では15単位程度です)。片倉高校(造形美術コース)では美術が3年間で25単位あります(通常は芸術系の科目は2単位程度です)。ただし、専門学科高校ほど多くはないので、進路変更が比較的おこないやすいのも特徴のひとつです。都内では下記の4校に設置されています。
総合学科高校とは
普通科目、専門科目、職業科目を幅広く勉強できる学科です。たくさんの選択科目の中から、自分の進路や興味関心に応じて科目を選ぶことができます。将来就きたい仕事を視野に入れて、自分に合った学習ができます。大学への進学だけでなく、専門的な知識を得ることや資格取得にも対応できるのが特徴です。全日制の総合学科は下記の10校があります。
産業科とは
ものづくりから流通・販売までを幅広く学び、ビジネス・技術・経営のわかる人材、地域の産業の後継者となるような人材の育成を目指す学科です。地域の産業界との連携によって、一定期間企業に行き仕事を体験できる制度もあるので実践的な力を身につけることができます。都内では下記の2校に設置されています。
チャレンジスクールとは
中学校を休みがちだった人、十分に自分の力を発揮できなかった人、高校を中退した人などを対象としたタイプの高校です。午前・午後・夜間の3部制(定時制)で総合学科・単位制です。学力よりも学ぶ意欲が大切です。都内には下記の6校があります。(立川地区チャレンジスクールは令和7年4月開校予定)
エンカレッジスクールとは
勉強が苦手な人に学習する意欲をわかせ、基本的学力を身につける学校です。中学校で勉強についていけなかったけれど、高校でやり直したいという意欲のある生徒に、きめ細かい指導や学び直しをする学校です。
進学指導重点校/進学指導特別推進校/進学指導推進校/進学指導研究校
「進学指導重点校」とは、難関国立大学・国公立大学医学部医学科への進学実績の向上を目指すために指定された高校です。進学を重視した教育課程や習熟度別授業など進学指導が充実しています。「進学指導特別推進校」とは、国公立大学・難関私立大学等を中心とした進学実績の向上を目指します。「進学指導推進校」とは、国公立大学等を目指す取り組みを強化する高校です。「進学指導研究校」とは、生徒の進学希望を実現するための教育活動を積極的に行う学校です。
定時制高校
夜間定時制、昼間定時制、昼夜間定時制があります。元々は、昼間働いて夜間に授業をする夜間定時制が中心でしたが、最近では生徒のライフスタイルに合わせて昼間定時制や昼夜間定時制があります。都内の昼夜間定時制(定時制単位制・チャレンジスクール)は、午前・午後・夜間の3部制を設けていて、昼夜間ともに授業を行います。自分に合った時間帯で授業を受けることができます。大半が修業年限4年ですが、他部の単位を取得することなどで、3年での卒業も可能な学校が多くあります。都内では下記の6校があります。
中高一貫校
中高一貫校には3つのタイプがあります。「中等教育学校」は、6年間一貫的に教育を行います。前期課程(中学)で高校の内容を一部先取りした授業も行うことができます。「併設型」は、都立中学校と高校が併設されています。中学校からの内部進学生の他、高校段階での外部募集があります。「連携型」は、区市立中学校と都立高校が連携して中高一貫教育を行います。
桜修館、小石川、九段(千代田区立)、立川国際、南多摩、三鷹
▼連携型
広尾、永山、芝商業、蔵前工科
▼併設型
白鷗、武蔵、富士、大泉、両国
通信制高校
学校から送られてくる教材で学習し、レポート(報告課題)、スクーリング(面接授業)、単位認定試験が基本的な学習サイクルです。自分に合ったスタイルで高校生活を送ることができます。
デュアルシステム科
デュアルシステムとは、一定の期間、授業の一部として企業で就業訓練し、卒業後にも役立つ実践的な技術・技能を身につけるシステムのことを言います。
産業技術高専
5年間通う学校です。一貫したカリキュラムにより一般教育・専門教育を学びます。そのため、実践的技術・専門的知識をしっかり身につけることができます。主に工業関係の学科が置かれています。卒業生には短大卒業と同等の資格が与えられ、大学3年生への編入資格を得ることができます。産業技術高等専門学校では、東京都立大学への編入枠があります。また、5年間の教育を終えた後に専攻科(2年間)、その後に大学院(2年間)への進学も可能なため、計9年間の高度な専門技術を学ぶしくみも整っています。